2015年の年金破綻回避―厚生労働省が作り上げた年金ジグソーパズルの謎を解き明かす
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定価 : ¥ 1,000
販売元 : 文芸社
発売日 : 2004-12 |
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もはや国民的議論になりつつある公的年金議論であるが、目に付くのは「役人や議員が悪い」だの「若者はもっと子供を作れ」だの「高齢者は貰い過ぎ」だの、いずれも原因を「他者」に求めて恥じない連中の多いこと多いこと(汗)。そんななか本書では、「良く考えて見ると悪いのは(何だかんだ言いながら最後は他者に頼ろうとする)国民一人一人ではないか」とし、「不信感があるのなら自ら声を挙げて行動すべし」と説いている。また、かくいう著者自身も、同じ団塊世代や高齢者に対して次世代のために譲歩を呼びかけるなど、その言に恥じない高潔さが随所に窺える。政府や厚労省・社保庁の不作為は許さず、されど批判だけにとらわれず、マスメディアには踊らされず、鵜呑みもせず、あくまで自分の頭で考える ──── 今後の年金改革に真に必要なのは、このような地に足のついた真摯な姿勢ではないだろうか。吉田松蔭とイラク人質事件の連中を同一視するなどアレレな面も垣間見られるものの、そうした小異を捨てて大同に付こうとすら思ってしまうからアラ不思議。最後に、著者の考察の中で特にユニークだったものを以下に挙げておく。少なくとも、これまでの年金議論に更に厚みが加わることは間違いない。
・厚生年金は現行のままでも問題無い。実は一番ヤバいのは、低負担高給付を続けている国共済だ。
・デフレは極めて健全な経済現象。おかげで高物価、高人件費、高地価は解消され、実質的には豊かになった。
・少子高齢化による就労人口の低下は、ITなど生産性の向上で十分補える。むしろ人口過密による弊害が解消されてハッピー。
・出生率が1.29であっても毎年100万人以上の新生児が生まれる計算になる。これは明治期よりも高い水準であり、問題無い。
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読後感 2005年1月14日
開田卓二氏著2015年の金破綻回避は、今、話題となっている年金について団塊の世代の将来を記しているので、興味を引き一読致しました。内容は日頃思っていたことが多々あり痛快でした。私がもっと書いて欲しい点を若干書かせていただきます。
1,公務員の共済年金が破綻状態であることは知りませんでした。公務員の1.85人で一人の年金を支え、サラリーマンの3.33人に対して格段に小さいのはなぜか?公務員の人数が過去ほぼ一定であったことを考慮しても大変な長生きで不正の臭いがする。
2.730兆円の政府の債務は怖い
政府財政は既に破綻間近です。しかし、多くの国債や郵便貯金の個人的所有者は日本国民の財産の大半を持っている高齢者です。もし、彼等が気づいて、郵便預金をおろし始めたら、大変なことになります。政府財政は破綻し、年金の維持ができなくなります。
著者の緻密な計算によって、政府次第ですが厚生年金の維持可能との結論は心強いです。